開発テーマ紹介 ~ 保冷用ブロックの結露防止対策

課題

バイオ・ライフサイエンス分野の研究、実験では試薬や酵素の活性を維持するため、4℃などの低温で保冷することが求められます。自動分注装置を用いた実験では、しばしばペルチェ素子等を用いた冷却デバイスを用いた連続冷却が利用され、広く普及しています。
しかし、極端に低湿度で制御された環境でない限りは、空気中の水分が低温部に凝集し結露します。結露は時間とともに成長し水滴となり、コンタミリスクや様々な問題をもたらすため、頭の痛い問題となっています。

取り組み

我々は冷却にも用いるアルミ合金の形状に工夫し、外周部(側面+天面)に発泡ポリエチレン製の断熱材を配置しました。加えて、分注処理の際には冷却ブロックで使用されるマイクロチューブは開状態で保持する必要があるため、ヒンジ式キャップを把持する機構を設け、自動化親和性を高めました。

これにより4℃で2時間以上冷却しても結露することなく低温を維持できるブロックとなり、ラボ自動化の推進とリスク低減に貢献することができました。

MAGIC-RACK Coolの構造

コンセプト

  • 結露フリー冷却
    高性能断熱材をウォータージェットで精密カット、外周に配置することで冷却部が外気に晒されず、2時間以上の冷却でも結露しません(環境に依存します)。
  • 冷却効果の向上
    冷却用アルミニウム合金の体積を低減し、断熱効果を高めたことで、冷却デバイスからの冷気が外に逃げずらく、冷却速度と安定性が期待できます。
  • 分注装置との親和性
    ブロックはSBS規格(マイクロプレートサイズ)のため分注装置にそのまま利用可能。キャップを開状態で保持できるため、利用がしやすくなりました。

 

製品情報は こちら をご確認ください。
現在、弊社取り扱いのROBOTUBE用と、Eppendorf社1.5/2mlチューブ用があります。
その他のチューブへの対応も可能ですので、弊社までご相談ください。

開発ギャラリー

冷却デバイスは Au-Cooler を使用しました。

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